ハワイ島の小さな村「ホノカア」でのゆったりした暖かい物語です。
自分の人生を振り返り、こんな貴重な経験をしていない、何か忘れ物をしてきたような思いに駆られます。
なかでも著者(ちなみに吉田カバンのご子息)を実の子どものように可愛がってくれる日系のおばあちゃん「ビーさん」とのやり取りは心温まるモノがあり、ビーさんのコトバの一つ一つがグサグサと突き刺さります。
お涙頂戴の安い感動モノではなく、ただゆったりと物語が進行していくだけですが、最後には自然に涙が溢れてくるのです。それは、著者が気負わず自分のコトバで経験を綴った優しい物語だからなのでしょう。
文句なしに2006年千葉賞受賞の作品です。
読み終わった後に久しぶりにおばあちゃんに電話してみました。
「東京タワー」を読んでお母さんに電話したあなた、これを読んで久しぶりにおばあちゃんに電話してみてはいかがでしょうか?